前回は、下準備を済ませたので、いよいよデータベースを構築したいと思います。
オブジェクト=エンティティであること
データの入れ物のことを、Salesforceではオブジェクト、Dynamicsではエンティティと呼びます。
役割自体は、細かな違いこそありますが、オブジェクト・エンティティともに同じです。
予め作られているものを、標準オブジェクト・標準エンティティと呼び、
ユーザ定義によって作成されるものをカスタムオブジェクト・カスタムエンティティと称します。
今後も標準・カスタムという言い方はあると思いますが、同じような捉え方でいいと思います。
今回はまず、球団と所属選手と球場をターゲットにしたいと思います。
今後は、呼び方を統一したいので、Salesforceのオブジェクトであってもエンティティで表現したいと思います。
データベース構造は?
球団は既存の企業データを使用します。
Salesforceでは取引先、Dynamicsでは取引先企業となるものですね。
所属選手は球団に属するので、既存の取引先責任者に入れます。
こちらはDynamicsでいう取引先担当者になります。
球場はカスタムで作成しましょう。
今回はここまで作成します。
データの中身(項目)についてはまた後日行うものとし、今日は箱だけを用意します。
Salesforce、Dynamicsともに以下のタスクを実施します。
- 球場エンティティの作成
- 既存オブジェクトのラベル名変更
球場エンティティの作成
Salesforce側の設定
まずは、Salesforce側から。
球場オブジェクトを作成します。
作成の仕方は[設定]→[作成]→[オブジェクト]から作成します。
基本情報に以下の情報を入力します。
あとはデフォルトの状態です。
設定項目 | 値 |
---|---|
表示ラベル | 球場 |
オブジェクト名 | Stadium |
レコード名 | 球団名 |
データ型 | テキスト |
Dynamics側の設定
同じように、Dynamics側も作成します。
ソリューションから、コンポーネントの中のエンティティから新規で以下内容を入力します。
【プライマリフィールドタブの設定内容】
設定項目 | 値 |
---|---|
表示名 | スタジアム |
名前 | stadium |
企業形態 | ユーザまたはチーム |
【全般タブの設定内容】
設定項目 | 値 |
---|---|
表示名 | 球場 |
名前 | Stadium |
Dynamics側の設定上の注意として、一度設定すると変更できなくなる項目が多いので、保存前に基本項目が埋まっているか確認しましょう。
特に、プライマリフィールドタブは表示しなくても、そのままエンティティが保存できてしまうので、つい設定を忘れがちです。
とりあえず作成して後から変更という事ができないため、名前や企業形態など重要情報を設定し忘れて泣く泣くエンティティ作り直しなんてこともあります。
これが地味に痛い!
また、SalesforceにはName項目を自動採番する事ができますが、Dynamicsは自動採番機能がありません。
これも、地味に痛い!
Dynamicsでは必ずレコードに名前をつける事が前提となっているので、エンティティ作成前にあらかじめ名前またはキーとなる内容を決めておきましょう。
一方で、Dynamicsでしかできないこととして、プライマリフィールドを任意項目とすることはできるので、どうしても名前を入れる必要性がないときは、任意項目にすることは可能です。
ただし、後々のデータインポートなどのことも考慮すると、必須項目が推奨です。
既存オブジェクトのラベル名変更
Salesforce側の設定
まずは、Salesforce側の設定。
[設定]→[カスタマイズ]→[タブ名と表示ラベル]→[タブと表示ラベルの名称変更]から既存オブジェクトの名称を変更できます。
オブジェクトからではないので、初見ではなかなか分からないかもしれません。
取引先を選んで「球団」に、取引先責任者を選んで「所属選手」にしましょう。
Dynamics側の設定
次に、Dynamics側の設定。
まず、こちらは、取引先企業と取引先担当者がソリューションの管理下となるようにします。
コンポーネントの既存の追加からエンティティを選択します。
ソリューションコンポーネントの選択で、取引先企業と取引先担当者を選択します。
取引先企業での資産の選択で「すべての資産を追加」をチェックして次へ、同じように取引先担当者も「すべての資産を追加」をチェックして完了。
これで取引先企業と取引先担当者がソリューション管理下になります。
エンティティに球団名と並んで表示されていることでしょう。
あとは、名前の変更です。
エンティティから取引先企業を選択して、表示名と複数名を「球団」と変更して保存します。
同じように、取引先担当者も「所属選手」に変更します。
以上は今節での設定となります。
まだ、箱を作っただけに過ぎないので、これから徐々にデータベースらしくしていきたいと思います。
まとめ
- SalesforceのオブジェクトはDynamicsのエンティティにあたる
- Salesforceのオブジェクト名称変更はオブジェクトからではなく、タブと表示ラベルの名称変更から行う
- Dynamicsのエンティティは一度設定すると変更できない項目が多いため、作成前に設計をする
- Dynamicsは自動採番機能はないが、プライマリフィールドを任意項目にすることはできる
- Dynamicsは変更の対象となるものをソリューションに追加する
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