取引先階層は戸籍上の管理はできるが親の七光りはない

今回は取引先階層について。
オンリーワンの機能こそありますが、機能としてはややショボいので、これもできること/できないことを暗記してしまいましょう。

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取引先階層は標準機能として用意されている

取引先階層の構築の仕方はいたってシンプルです。
取引先にある、親取引先に異なる取引先レコードを指定することで、取引先階層が作成できます。
取引先階層の設定

取引先階層といっても、ただの取引先間の参照関係です。

取引先階層はあくまで参照関係の延長線上

繰り返しますが、親取引先を指定しても、その取引先とはあくまで参照関係になります
一応、定義の上では、「参照関係」ではなく「階層」という特殊なデータ型で定義されていますが、基本は参照関係の性質であり、主従関係ではありません。
親取引先は階層型で定義される

階層型にある特徴として、まず「階層の表示」ができます。
階層の表示は取引先間の親子関係を自分の親子だけの繋がりだけではなく、直接繋がりがない兄弟や祖父後など一族ごと確認ができます。
最上位の親が同じであれば、一族とみなされます。
階層の表示で一族の表示が可能

参照関係は循環参照ができますが、階層は当然、親子関係を管理するため、循環参照はできません。
しようとするとエラーになります。
取引先階層での循環参照はできない

主従関係ではないので万全ではない

階層型は参照関係がベースとなるため、機能的には万全とは言えません。

アクセス権の引き継ぎはできない

親子関係を管理する階層と言えども、力関係までは管理ができません。
親取引先にアクセス権があっても、子案件に引き継ぐことはできません

共有やチームも引き継ぐことはできないので、各取引先で都度設定しないといけません。
どうしても、引き継ぎをしたい場合はApexの力を借りて、開発で引き継ぎ処理を実装する必要があります。

取引先階層での積み上げ集計

商談とは違い、取引先階層での積み上げ集計機能はありません
どうしても集計したいときは、Apexを使用して開発することになります。

親子の縁は簡単に切れる

取引先の階層が親-子-孫とあった場合、子取引先の削除は可能です。
子取引先を削除した場合は、孫取引先の親案件はブランクになります。
当然、親取引先との繋がりが絶たれるので、孫案件は一族から外れます。
子供がいたら、削除ができないなどのルールはないため、このへんは参照関係の性質と一緒ですね。

まとめ

  • 取引先階層は階層型で、一族の表示ができる
  • アクセス権は引き継がれず、チームや共有も引き継がれない
  • 積み上げ集計の機能もない
  • アクセス権引き継ぎや積み上げ集計を実施したい場合は、Apexによる開発が必要となる

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