今回はSalesforceとDynamicsのビュー機能比較です。
ビューは呼び方も一緒、機能もほぼ同じ
Salesforceにおけるビューはオブジェクトの一覧を表示します。
Dynamicsも同じでエンティティの一覧を表示します。
今回のゴールは、SalesforceとDynamicsでそれぞれビューを作成してみて違いを検証することです。
今回の作成範囲は赤枠の部分となります。
実践編:ビューを作成してみる
では、手始めに球団のビューから作成を。
今回は、セリーグの一覧を出すビューを作成しましょう。
(パリーグも作り方はほぼ一緒なので割愛します)
SFDC:ビュー
まずは、球団のタブに入って、[新規ビューの作成]を選択します。
新規ビューの作成で以下画面のように入力します。
セリーグ球団だけを指定したいので、ステップ2ではリーグがセリーグである条件を追加します。
ステップ3ではビューに表示する列と順番を選択します。
今回は球団名、リーグ、フランチャイズ、最終更新日を表示するため、以下のように設定します。
順番は一番上のものが左から順に配置されるので、上下のボタンを使って順番を調整します。
ステップ4で、公開範囲を指定します。
セキュリティの話はまだしていないのですが、特定のロールやグループに対しての公開も可能です。
とりあえず、全員に公開したいので、「すべてのユーザに表示」にしましょう。
最後に「保存」ボタンで簡単にビューを作成することができます。
作成するとビューの画面に飛びます。
まだデータを作成していないので、中身は空ですが設定された通りに列が配置されているかと思います。
但し、上記設定内でできないこともあります。
1つはデフォルトのソートの指定。ビューを最初に表示した時は、一番左列の昇順がデフォルトになります。
表示された後は、ヘッダから降順ソートや他列のソートも可能だけなので、その1オペ分は泣いてもらう必要がありますね。
もう一つは、列の間隔。
デフォルトでの表示は均等になるように表示されます。
項目によっては、短かったり、長かったりしますが、お構いなしに等間隔となります。
こちらも表示後の幅調整は可能なので、初期表示の時だけのガマンになります。
ざっと、Salesforceのビューはこんな感じです。
D365:ビューの作成
続いて、Dynamics側のビューの作成。
Salesforceでは1画面で設定ができましたが、Dynamicsではあちこちに画面遷移するので見失わないように。
まずは、ソリューションから、球団エンティティの[ビュー]を選択して、[新規]を選択します。
ダイアログが立ち上がるので、まずはビューの名前を入れます。
論理名はありません。
初期の状態では、取引先名(球団名)しか表示されていないので、列を追加してあげる必要があります。
右の[列の追加]を選択。
ここで、Salesforceと同じ列構成になるように、リーグ、フランチャイズ、修正日にチェックを入れて[OK]ボタン押下。
これで、列が追加されます。
順番があっていないため、調整します。
列を選択して、右側の矢印から移動が可能です。
このように移動されました。
次に条件を設定します。
[フィルタ条件の編集]から、
条件の設定でこのように入力します。
アクティブ条件はSalesforceでは設定しませんでしたが、論理削除をさす項目なので、ビューを作る際は常に条件に入れておくようにしましょう。
これで、Salesforceと同義のビューができました。
ですが、もうちょっと拡張させてみます。
ソートの設定
[並び替えの構成]から。
ソート項目と昇順or降順を選択できます。
ソートは2項目まで設定可能ですが、ビューに表示している列が対象になります。
修正日の降順に設定しましょう。
列幅の設定
球団名は「東北楽天ゴールデンイーグルス」や「北海道日本ハムファイターズ」など長いものもあるため、球団名を広めに表示しておくこともできます。
[プロパティの変更]から、
下のラジオボタンで列幅の指定ができます。
自由入力ではありませんが、文字数に応じて調整することができます。
参照先の項目を表示する
Dynamicsのビューは何と、参照先(親エンティティ)のフィールドもビューに表示することができます。
では、フランチャイズの最寄り駅を出してみることにします。
再び、[列の追加]から、レコードの種類に「」を選択すると、球場エンティティの項目が切り替わるので、最寄り駅にチェックを入れればOKです。
但し、ソートの設定はできないため注意してください。
最後に保存して公開までしましょう。
公開しないと反映がされないので、忘れずに。
出来上がったビューは統合UIではこのような表示になります。
Excelチックなフィルタ機能も使用できるので、使いやすいのではないでしょうか。
違いをあげるとすれば
基本的な機能は同じですが、細かいところの違いはあります。
関連先エンティティの項目も表示できる
これはDynamicsビューの特権です。
検索フィールドを持つ場合、その関連先のエンティティの項目もビューとして表示が可能です。
フィルタ機能がある
条件指定はどちらのビューも共通ですが、Dynamicsのビューは表示された後にもさらにフィルタ機能を使って絞り込みが可能です。
初期ソートの指定
Salesforceのビューはソートの設定ができないのに対し、Dynamicsのビューはソート項目を2つまで指定できます。
列幅を指定できる
Dynamicsのビューは列幅の指定が可能です。
但し、どちらともビュー表示後の列幅の調整が可能なので、初期表示の見栄えにこだわらなければそれほど大差はないでしょう。
ビューだけで見れば、D365の勝ちだけど…
このようにビューだけで見れば、機能面では、Dynamicsのビューの方がちょっとだけ有利です。
でも、Salesforceが劣っているかというとそうでもありません。
むしろ、ある助っ人を投入すれば、分析系の機能はSalesforceが断然優れています。
その助っ人の名は「レポート」。
機能がありすぎて、僕も完璧に覚えきれていないくらいです。
次回は、Salesforceで作りきれなかったビューをレポートで作成します。
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