今回のテーマは注文機能。
商談や見積の影に隠れがちの機能ではありますが、立派な標準機能でありますのでここもしっかり押さえておく必要があります。
注文は契約した取引先に対して関連づけられる
Salesforceにおける注文とは、このように定義づけられています。
注文とは、既存の数量、価格、時間でサービスまたは商品を提供するための貴社と貴社のお客様間の契約です。その他の標準オブジェクト同様、注文機能をカスタマイズする事により、貴社の注文管理のニーズに合わせることができます。
上記説明文にもあるように、会社間での契約となるため、注文は商談に対してではなく、取引先に対しての関連付けとなります。
そして、取引先との間に契約が結ばれている必要があります。
注文の設定
注文の設定もシステム管理者が同じように、設定から[注文設定]で設定します。
注文設定は以下の内容の有効化になります。
また、注文は取引先に関連付けられますが、デフォルトの取引先ページレイアウトには注文の関連リストが含まれていないことが多いので、取引先のページレイアウトの編集も忘れずに。
注文を有効化
注文の機能を使用できるかどうかの設定です。
デフォルトでは有効化されています。
削減注文を有効化
削減注文は注文済みのものに対し、数量を減らす場合やキャンセルする場合に使用されます。
デフォルトでは無効化されていますが、キャンセルなどはあり得る話なので、有効化した方がいいでしょう。
この後、詳しく後述します。
負の数量を有効化
こちらは、数量がマイナスの注文が可能かどうかの有効化になります。
削減注文と異なるところは、削減注文は一度注文済のレコードに対し数量削減やキャンセルを行うのに対し、こちらは注文がなくてもいきなりマイナスにできる機能になります。
Enable Zero Quantity
なぜかここだけ英語ですが、数量が0の注文が可能かどうかの設定です。
いわゆるカラ注文というものです。
あまり使う場面が浮かばないのですが、事前に仕込んでおいたトリガを動かすなどのロジックを動かす場合に使うのかな?
業務上というより事務的な意味合いが強そうですね。
有効化注文の削除はできない
注文オブジェクトの特徴として、有効化した注文をレコード削除することはできません。
取引先間での確定事項なので、きっちり履歴として残したい意図があるからでしょう。
でも、どうしても業務都合上注文を取り消さないといけない場合は、削減注文をします。
注文した数量に対し、数を減らしたり、差し引きがゼロになるように、マイナスの数量で別レコードで注文を作成します。
いわゆる、赤字伝票というヤツです。
では、実際に注文から削減伝票まで順を追ってみましょう。
まずは、取引先に対し、注文を作成。
注文データを作成。
契約が必須なので、取引先と交わした契約を関連付けします。
当然、関連付けする契約は有効な契約(有効化されている契約)でなければなりません。
このように注文を作成したら、注文商品関連リストから「商品の追加」で商品を追加します(商品と価格表はあらかじめ作成しておく必要があります)。
このように商品を作成しても、注文はドラフト状態なので、「有効化」しましょう。
注文を有効化するとこうなります。
注文商品の削除リンクが消えてますね。
そのため、数量を間違えたりキャンセルする場合は「注文を削減」しましょう。
もう一つ注文を作ることになります。
これがいわゆる赤字伝票となる削除注文です。
削除注文の注文商品関連リストは「追加」ではなく、「削減する商品を選択」になっているので、ここから数量を減らします。
このように減らす数を入力します。
ここで表示される商品は削除注文でベースとなる注文に追加されている商品と数量になります。
とりあえず、3を1に変更するため、数量は2を入力。
商品を減らしたら、削除注文に対して「有効化」します。
最終的にこのように、数量3の注文と数量-2の注文が2件作成されたことになります。
ちなみに、取引先を削除しようとすると、このように契約と注文が有効化されているため削除ができません。
まとめ
- 注文は取引先に対して関連付けられる
- 作成した注文は有効化することで数量や金額が反映される
- 有効化された注文の削除はできない
- 注文のキャンセルや数量削減は削減注文を使用する
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