今回は、最も試験で狙われやすいといっても過言ではない売上予測について取り上げます。
Sales Cloudの最重要ポイントなので、設定も計算の仕方も是非とも覚えてもらいたいものです。
売上予測は2種類ある
売上予測はSalesforce上に登録されている商談または商品から、期や年度単位で仕掛かり中の商談も含め、売上金額または数量を集計する機能です。
商談によっては、確度が低いものやもうすぐ契約成立しそうなものまで色々含まれているので、商談フェーズごとでグループ訳をして、決まりそうなもの、確度が低いものなどで分類してそれぞれの金額を算出します。
商品単位であれば、商品ファミリといった単位での集計となります。
算出された金額は、目標までどれくらいかを判断する指標となるので、営業にとってはありがたい機能になる訳です。
そんな、売上予測機能ですが、カスタマイザブル売上予測とコラボレーション売上予測の2種類があります。
カスタマイザブル売上予測
売上予測のクラシック版です。
集計方法の複雑さから、試験ではこちらの方が出題されやすいです。
でも、それは数年前の話なので、今はそれほど問われないかもしれません。
というのも、このカスタマイザブル売上予測はSummer20で完全に廃止になる機能なんですね。
なので、徐々にコラボレーション売上予測へ移行しつつあって主流でなくなっているので、Salesforceさんの試験は出しにくいのかなと思っています。
でも、計算方法が複雑なので、それについては後述します。
コラボレーション売上予測
最近のトレンドはこちらとなっており、デフォルトでもコラボレーション売上予測の方が使用されます。
カスタマイザブルのほぼほぼ上位互換にあたるもので、今後はこちらがメインの売上予測となります。
デフォルトでの通貨選択やチャットなどの機能が追加されています。
以降の設定もコラボレーション売上予測を前提としてお話します。
売上予測は設定
売上予測機能使用のためには、まずはお決まりの有効化から必要となります。
デフォルトでは無効になっているので、設定の[売上予測の設定]から、まず「売上予測を有効化」にチェックを入れます。
すると、入力内容が増えます。
売上予測種別で集計する単位と対象を選択します。
集計対象は商談or商品ファミリから、対象は収益or数量からそれぞれ組み合わせで選択します。
次に調整を有効化するかどうか。
後述しますが、マネージャーによる金額の調整を許可するのであればチェック。
次に集計方法。
個別売上予測積み上げ集計か累積売上予測積み上げ集計かを選択します。
集計方法についても後述しますが、累積売上予測積み上げ集計にする場合はチェック。
あとは集計期間やデフォルトの通貨など。
こちらはお好みで。
売上予測の計算方法
売上予測がどのグループに入るかは、商談のフェーズによって決まります。
商談のフェーズ項目に、売上予測分類があるのでそれを見て売上予測のグループ分けをしています。
個別売上予測積み上げ集計
個別売上予測集計はシンプルです。
こちらは単純に売上分類単位で金額を集計しています。
累積売上予測積み上げ集計
もう一方の方式として、累積売上予測積み上げ集計があります。
こちらはやや集計条件が複雑です。
そして、複雑故に試験でも出題されやすいポイントになります。
カスタマイザブル売上予測が試験に出やすかった背景として、この複雑な計算式を使用していたため、カスタマイザブル売上予測がなくなりつつある今でも累積売上予測積み上げ集計の計算は試験頻出のポイントとして捉えておいたほうがいいでしょう。
累積売上予測積み上げ集計にも個別売上予測積み上げ集計と同じく、売上予測の4つのフェーズが存在します。
ただし、この4つのフェーズの集計がごちゃ混ぜになっています。
以下が累積売上予測積み上げ集計における売上予測分類の計算式になります。
この計算式は絶対暗記しておきましょう。
売上予測分類 | 計算式 |
---|---|
進行中のパイプライン | パイプライン+最善達成予測+達成予測 |
最善達成予測の売上予測 | 最善達成予測+達成予測+クローズ済み |
達成予測の売上予測 | 達成予測+クローズ済み |
完了のみ | 完了 |
集計例
実際に検証してみます。
まず、商談フェーズの売上予測分類はこのように定義済みです。
次に以下の商談を作成します。
全て同じロール内での商談としています。
商談名 | フェーズ | 売上予測分類 | 金額 |
---|---|---|---|
売上予測テスト1 | Prospecting | Pipeline | 100,001 |
売上予測テスト2 | Proposal/Price Quote | Best Case | 200,002 |
売上予測テスト3 | Negotiation/Review | Commit | 300,003 |
売上予測テスト4 | Closed Lost | Omitted | 400,004 |
売上予測テスト5 | Closed Won | Closed | 500,005 |
個別売上予測積み上げ集計にすると結果はこう。
累積売上予測積み上げ集計にすると結果はこうなります。
例えば、最善達成予測の売上予測は上記計算式より、
の加算になるので、
200,002+300,003+500,005=1,000,010
となります。
このように、集計方法によって、売上予測が違うことが分かります。
売上予測の完全な自動計算ではない
このように、商談の金額をロール別に集計してくれる便利機能の売上予測ですが、やはり予測とつくだけあって、数値にブレが出ることも考えられます。
システムとしてはSalesforce上に登録している商談でしか予測がたてられないので、隠し財産的なものがある場合、数字の書き換えをする機能があります。
各ロール毎に一人のマネージャを設定し、売上予測設定でマネージャによる調整を有効化をすることで、マネージャは算出された売上予測の数字を手動で編集することができます。
マネージャの設定は、設定の[売上予測階層]から設定し、
設定後、マネージャは売上予測の金額を編集することができます。
ただし、完了はもう確定している金額なのでさすがにここの金額は商談の集計となります。
まとめ
試験で出やすいところなので、ポイントは多めです。
- 売上予測の集計は商談と商品に対して集計できる
- 商談で集計する場合は、フェーズの売上予測分類毎に集計される
- 商品で集計する場合は、商品ファミリ毎に集計される
- 収益または数量で集計ができる
- 売上予測の集計は個別売上予測積み上げ集計と累積売上予測積み上げ集計がある(累積売上予測積み上げ集計の計算式は暗記)
- ロール毎にマネージャを1人設定可能、手動での売上予測編集機能がある(完了商談は除く)
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