前回はビューについて触れましたが、今回はビューの延長線上にあるレポートの機能を使っていきたいと思います。
前回のおさらい
前回はSalesforce側のレポートとグラフを作成しました。
今回はDynamics側のレポートとグラフの作成になります。
Dynamicsのレポート作成はソリューションから
Dynamicsはソリューションから作成します。
シンプルな一覧形式のレポートの作成
ソリューションの[レポート]→[新規]を選択します。
新規レポートの画面が表示されました。
これだけだとよく分かりませんが、[レポートウィザード]ボタンでウィザード形式でレポートを作成していきます。
新規での作成なので、「新しいレポートを開始する」を選択。
レポート名を入力します。
プライマリレコードの種類には「球場」を選択します。
エンティティ跨ぎでのレポートを作成する場合は、親エンティティがプレイマリレコードの種類に入ります。
(Salesforceのレポートタイプでの主オブジェクトにあたります)
関連するレコードの種類には子エンティティが選択できるようになるので、「球団」を選択します。
但し、Salesforceのレポートタイプとは違い、エンティティは2つまでしか指定ができません。
親子孫のエンティティ構成になっている場合は、レポート表示ができませんので注意してください。
次にレポートに表示する条件を指定します。
設定画面が分かりづらいのですが、「保存されているビューの使用」から定義済みのビューor「新規」が選択可能です。
定義済みのビューを選択した場合は、そのビューの抽出条件が下の条件欄にセットされます。
「新規」を選択した時は、下の条件設定で新たに条件をセットすることになります。
球場も球団もアクティブなものを出したいので、ここでは「保存されているビューの使用」に「アクティブな〜」のビューを指定します。
それ以外の条件はいらないので、次に進みましょう。
そしてお次のレイアウトフィールド。
ここの設定はクセがあり、慣れが必要です。
まずは、Salesforceの一覧形式レポートのような形にしたい場合は、列だけを追加していきます。
前回の「球団フランチャイズ情報」のレポートに合わせると、このような列構成になります。
(列を設定する窓が広がらないので4,5行入れると表示が見辛くなってしまいますが)
並べ替え(ソート)の設定も可能です。
但し、ソートできるフィールドはプライマリレコードの種類で指定したエンティティのみのため、球団のフィールドに対しては初期ソートができません。
続いてはレポート書式の設定となります。
サマリーされていない一覧形式のものはテープルでしか表示がされませんので、「テーブルのみを表示する」を選択します。
要約は設定するところがないので内容を確認して次へ。
そして、完了メッセージが表示されます。
すると、ウィザードが閉じますが、レポート作成のダイアログでウィザードで設定した値が入力されているので、問題なければ保存しましょう。
最後公開すればレポートの作成が完了です。
早速このレポートを実行してみます。
実行の入り口はプライマリレコードの種類で指定したエンティティになるため、球場エンティティになります。
よって、メニューの球場に入ると、[レポートの実行]で先ほど作成したレポートが実行できるようになっているので選択すれば実行されます。
グラフ入りレポートの作成
次はグラフ付きのレポートを作成します。
同じようにレポート作成のウィザードから。
ただ、今回は先ほど作成したレポートをベースに作るので、[既存レポートから作成する]を選択しましょう(上書きはしない)。
プライマリレコードの種類はベースのレコードと同じになっているので、レポート名だけ変えて次へ。
条件もベースのレポートで設定済みなので、そのまま次へ。
次のレイアウトフィールドで、サマリーする必要があるため、リーグをサマリーします。
リーグを選択して、タスクの上を選択することで、サマリーフィールドに昇格できます。
でも、それだけではグラフは表示できません。
グラフ使用のためには集計可能な数値列が必要となります。
なので、列に日本シリーズ優勝回数を加えます。グラフ使用のためには、要約の種類にも値を設定する必要があります。
レポートの書式設定で、[グラフとテーブル]を選択。
テーブル位置は好みの問題なのでどちらでもいいです。
最後にグラフの形式などを設定してあげればOKです。
ここもお好みで。
あとは、一覧レポートと同じように保存と公開をします。
実行したレポートはこのように表示されます。
(セパ拮抗している…)
グラフはビューからでも作れる
このようにレポート上でグラフを作成することができました。
それに加え、Dynamicsはレポートを作らずにグラフを作成することが可能です。
グラフはエンティティ単位での作成となります。
ソリューションから、球団エンティティのグラフを作成しましょう。
ソリューションの球団エンティティの[グラフ]から[新規]ボタンで、
グラフの作成画面が表示されます。
グラフの種類などは色々あるので、詳しくは挙げませんが、セリーグの優勝回数をグラフとして表示するために、セリーグ一覧のビューをデータソースとしてグラフが作成されます。
グラフ作成には定義済みビューが必要ということを頭に入れておいてください。
日本一の回数を縦棒グラフで表示するために、以下のような設定を入力します。
作成後は球団メニューの[グラフの作成]からグラフの表示が可能です。
レポート機能の違いを比較
Salesforce側、Dynamics側のレポートを作成しました。
跨げるエンティティ数
Salesforceのレポート表示では、レポートタイプの定義により、最大4オブジェクトまで一覧の対象に加えることができます。
一方のDynamicsのレポートはプライマリレコード(主エンティティ)と関連エンティティの2つまで。
守備範囲はSalesforceの方が上となっています。
表示形式
Salesforceのレポートは、表形式、サマリー、マトリックス、結合と4種類指定が可能です。
一方のDynamicsレポートは形式を指定するものはありませんが、設定可能なのは事実上、表形式とサマリーになっています。
こちらも、Salesforceレポートが上手です。
グラフの単独作成
Dynamicsが優れている点としてはグラフの表示。
グラフの内容自体はそれほど大差はありませんが、Salesforceはレポートを定義した上で、レポート内にグラフを取り込むことになります。
一方のDynamicsはレポートにグラフを取り込む形式もありますが、レポートを作らずともビューからグラフ化させることができます。
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