SharePointとの連携
DynamicsはOffice365の組織の中に含まれている一つのサービスです。
Office365には他にもWordやExcel、Outlookなどのサービスも含まれているため、それらの連携に関しては他のクラウドサービスに比べて長けているといえます。
今回はその中で、おそらく使用頻度も高いと思われるファイル連携、SharePointとの連携について実施したいと思います。
同じOffice製品といっても、ちょっと設定が面倒だったりするので、順を追って設定してみます。
まず、[設定]→[ドキュメント管理]へGo!
「ドキュメント管理設定」を選択します。
ドキュメントを管理するエンティティを選択して次へ。
次に、フォルダー構造を選択できます。
ここ、割と重要で、SharePointをフルフラットか階層で作成するかのどちらかを選択します。
説明については後述します。
フルフラットにする場合はチェックなし、階層にする場合はチェックをつけて対象のエンティティを選択します。
あとは、SharePoint側で初期化をしてくれるので、結果を見届けて「完了」。
また、エンティティでは、「ドキュメント管理」にチェックをつけておく必要があります。
デフォルトではオンになっているので設定の必要はありませんが、フォームでも「ドキュメント」がナビゲーションに追加されていることを確認します。
設定は以上で、あとは対象エンティティのレコードのフォームから、関連からドキュメントを選択。
SharePointのUIが埋め込まれているので、アップロードなりダウンロードなりを行ってください。
フルフラットと階層
説明を後回しにしていましたが、フルフラットと階層のフォルダ構造について。
まずは、階層構造から説明します。
1つルートとなるエンティティを選択して、そのエンティティをレコードごとにフォルダを作成し、関連するレコードを階層的に子フォルダとして追加します。
図に書くとこのような感じです。
ただ、階層構造を扱う上での注意点がいくつか。
まずは、階層は1階層しか作成されません。
関連するエンティティ
階層化するのはルートとなるエンティティと1:Nとなっている関連付けのみです(1がルートエンティティ側)。
親子関係が成立していないと階層化ができないので、子から親に辿るN:1や親子関係がないN:Nは階層化できません。
また、ルートエンティティは1つしか選択されないので、対象となるエンティティとは別
また、一度親子関係として成立した関連エンティティのレコードを別の親につけかえたとしても、SharePointのフォルダは自動でつけかえてくれません。
以上を踏まえると、階層化は一見綺麗に見えますが、結構限定的な使い方をしないと綺麗な形になってくれないかもしれません。
一方のフルフラット型は階層化しないでエンティティごとにフォルダを作る方法です。
こちらは対象エンティティが同じレベルで横並びでフォルダが作成されるので、ある意味スッキリしています。
SharePointから階層を追うのは困難というか不可能ですが、階層化でグチャグチャになるくらいなら、いっそフルフラットにした方がいいような感じがします。
メモ添付との違い
SharePoint連携でファイルを経由する方法はお分かりいただけたでしょうか?
一方でファイルを添付する機能としては、メモ機能もあります。
こちらはDynamics側だけで完結する添付機能で、添付されたファイルはDynamics側に保存されます。
メモ機能の方が一見スッキリしていそうですが、添付されたファイルはDynamics側の容量としてストレージを消費するため、ディスクを圧迫します。
SahrePointとDynamicsでは契約方法にもよりますが、SharePointの方がより多くの容量を格納できます。
両者共にストレージの追加こそ可能ですが、その費用感についてもSharePointの方がはるかに安価で、コスト面では完全にSharePointの方に分があります。
それでも、Dynamics側のメモ添付機能を使うメリットとしてはセキュリティ面があります。
メモで添付したファイルはレコードのアクセス権=ファイルのアクセス権となるので、Dynamicsのアクセスレベル間と一致させることができます。
一方のSharePoint連携では、全くの別組織になるため、セキュリティの細かいレベルを管理するのが面倒です。
SharePoint連携で自動生成されたフォルダに対して、アクセスレベルをいちいち合わせてくれる訳ではないので、システム管理者がいちいちフォルダごとにアクセス制限をかけるといった面倒な運用を強いられることになります。
何を優先すべきかで使い分けを
このように、ファイルが添付できるという機能という点では、SharePoint連携とメモ添付で同じですが、それぞれ特徴があるため、要件によって使い分けが必要です。
コストと容量のSharePoint、セキュリティのメモ添付と覚えておくといいでしょう。
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