ポータルの管理について、メモ添付・Azure Blob Storage・SharaPointでそれぞれ設定できることが分かったので、最後に三者の比較を。
メモ添付のメリット
登録時にファイル添付ができる
何気に嬉しいメリット。
エンティティフォームからファイルをアップロードした場合、添付元となるレコードとメモレコードの2レコードが一度に作成されます。
1つのアクションで2レコード作るとになります。
登録時点では元のレコードがまだコミットされていない状態になっているので、その不確定レコードに対してファイルを添付するのって標準機能ではなかなかないんですよね。
SharePointやAzure Blob Strageを使った場合は、一度コミットされたレコードに対して添付する必要があるため、ファイルを登録する場合は元のレコードを作って保存→ファイル添付という2アクションをやらないといけません。
使用者視点からするとシステム側の都合など知ったこっちゃないので、地味に嬉しい機能だったりします。
セキュリティのん管理が一元化できる
メモ添付のもう一つの嬉しい点。
添付ファイルはメモエンティティとともにDynamics内での管理となるため、レコードとファイルが一体となって格納されます。
SharePointやAzure Blob Strageはファイル保管場所がDynamicsとは別になるため、SharePointやAzure Blob Strageに対してもアクセス権の設定をしないといけません。
この設定がなかなかややこしくて、ファイルを添付するときにフォルダが自動作成されたりするので、その度に手動で設定を加えないといけないなど管理者側への手間が掛かってしまいます。
さらに、設定の仕方によっては、レコードは参照できるけどファイルが参照できない、またはその逆の現象が発生しうるため、システム間設定のミスマッチが起こってしまいます。
メモ添付は、親側(添付されるレコード)のアクセス権に合わせて子レコードの参照権限が設定できるので、設定のミスマッチが起こりにくいです。
文書に機密性を求める場合は、メモ添付の方法がベストでしょう。
Azure Blob Storageのメリット
やっぱりAzureとの連携
格納先がAzureなので、既存システムにAzureがあればそのままくっつけることが可能です。
別システムにファイル管理をするという点では、SharePointと同じなので、逆にAzureを使っていないのであれば、SharePointを格納先として選んだ方がいいでしょう。
SharaPointのメリット
ストレージのコスト
契約したライセンス形態にもよりますが、単純にストレージのコストが安いのはSharePointです。
ライセンス形態がコロコロ変わるので、料金をここで載せるのは避けますが、Dynamics(PowerApps)はデフォルトでギガ単位なのに対し、SharePointはテラ単位で容量を持つことが可能です。
追加にかかる費用も10倍くらい違うため機密性が低く、ファイルをバンバンアップロードするようなケースではSharePointを使ったほうがいいといえるでしょう。
他のMS製品との連携
SharePointはOffice365の一部ということもあり、TeamsやOutlookなど、ユーザがよく使用しがちな製品との連携という点では他よりも優れています。
特にPower Automete(MSフロー)の機能が充実しているので、フローの作り方次第では、他のMS製品との自動化に長けていると言えます。
まとめ:何を重視するかで決める
以上のように、3者の利点をさらっと挙げましたが、結局は「何を重視するか」でベストなファイル管理が変わっています。
セキュリティ・操作性であればメモ添付を。
Azure連携がしたいのであれば、Azure Blob Storageを。
コスト面や他のMS製品との連携を重視するのであればSharePointを使うといいでしょう。
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